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沖縄観光の現状と今後

Okinawa Sightseeing Now and Future

◆沖縄観光産業が急成長。

観光客数は2012年の592万人から2017年には958万人とほぼ倍増。

2017年にハワイを訪れた観光客数(938万人)を超えたほか、観光収入も同期間で3997億円から6979億円へ伸びた。
9月30日に投開票される沖縄県知事選の各候補者も、経済振興の中で「観光客1500万人受け入れ体制整備と観光収入倍増」(佐喜真淳氏)や「沖縄観光に新たな付加価値をつけ、1200万人超えを」(玉城デニー氏)とそれぞれ観光を重視した数字目標を掲げる。(観光事業社では1.700万人見込み)

◆2018 年度の稼働状況

(1)客室稼働率(OCC)

*シティホテル 80.8% (前年度比△0.3%ポイント、以下 %P)、リゾートホテル 79.6% (同△2.1%P)、宿泊特化型(ビジネス)ホテル 84.4% (同+0.7%P) となり、シティホテル及びリゾートホテルで前年度を下回ったものの、宿泊特化型ホテルで前年度を上回った。

*入域観光客数が過去最高の 999 万 9,000 人(前年度+41 万 9,100 人)と好調に推移し、全てのホテルタイ プで客室稼働率が概ね 8 割の高水準となった。 (2)客室単価(ADR)

*リゾートホテルは 23,358 円(同△47 円、△0.2%)と、客室単価は概ね横ばいとなったものの、シティホテルは 13,741 円(同+261 円、+1.9%)、宿泊特化型ホテルは 8,354 円(同+238 円、+2.9%)と、前年度を上回っ た。

*客室稼働率が高水準で推移していることから、客室単価は 2014 年度と比較して、シティホテル及びリゾートホ テルはともに 3 千円弱増加、宿泊特化型ホテルは 2 千円弱増加した。

沖縄振興開発金融公庫 調査部報告書  https://www.okinawakouko.go.jp/userfiles/files/news_release/2019/20190905_2018hotel.pdf 

◆「平成30年度 沖縄県入域観光客統計概況」

1 入域観光客数
       (当初)     (修正人数)  (修正後)
 平成30年7月    88万4,100人 + 1,700人 =    88万5,800人
 平成30年8月  103万7,900人 + 3,600人 =   104万1,500人
                        (※7、8月合計で国内客5,300人の増)
 平成30年度   999万9,000人 + 5,300人 =  1,000万4,300人
          (※うち、国内客700万3,500人、外国客300万800人)

2 観光収入
        (当初)    (修正額)   (修正後)
 平成30年度 7,334億7,700万円+5億7,900万円= 7,340億5,600万円

2018稼働率、客室単価.png

【修正理由】
 昨年7月及び8月の伊丹―石垣路線(夏季臨時便)の輸送実績に係る算入漏れを修正したことによるもの。
※ なお、これに伴う上記修正に加え、平成30年7月以降の入域観光客数に係る各月発表数値(累計値等)の修正については、沖縄県観光政策課ホームページ「入域観光客数」の各月データをご参照ください。

◆「平成31年(2019)3月 入域観光客数概況」

 3月の観光客数は、88万4,000人 対前年(H30)同月比 +4万6,600人、+5.6% ~3月の過去最高を更新~

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◆観光客数の増加を牽引するのが外国人観光客(インバウンド)だ。

2017年の日本国内からの観光客数は約7割を占めるが、伸び率は数パーセント増にとどまった。

一方、インバウンドは前年比26.4%増と急激な増加が続く。

このうち、6割以上を台湾や中国からの観光客が占めている。

 

◆特に増加が顕著なのがクルーズ船だ。

沖縄県への寄港回数は2012年の125回から、2018年は662回を予定し急増中。

2017年度には外国人観光客の36%はクルーズ船などの海路を利用。

伸び率も空路が約19%増に対し、海路は約42%増だ。

空路では那覇空港が増設中の2本目の滑走路が2020年に使用開始予定だが、発着枠は現在より10~30%増にとどまる見込みだ。

一方、クルーズ船の停泊場所としては沖縄本島だけでも那覇港、中城(なかぐすく)湾港、本部港など複数ある。

さらなる旅客ターミナル整備などが着実に進み、受け入れ体制が強化されている。

◆「遠方からの観光客の方が長期滞在してもらいやすい」(沖縄観光コンベンションビューロー)

増え始めた東南アジアや来訪者数が少ない欧米からの定期便就航やチャーター便を誘致し、平均滞在日数の底上げを目指し、平均消費額の伸びを狙う。

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◆ホテルの不足、インフラや人材面に起因する問題で観光産業は正念場にさしかかっている。

沖縄観光コンベンションビューローのような観光組織や旅行業者からは「渋滞、公共交通機関とホテルの不足や言語の問題など、インフラや人材面に起因する問題で旅行者から不満の声が出ている」と話す。

現状では平均消費額や平均滞在日数は大きく伸びそうにない。あと3年で、滞在日数や消費額で県が掲げる目標を達成できるのか。「ハワイ超え」の沖縄の観光産業は正念場にさしかかっている。

◆現状は宿泊施設もインフラも人手も不十分

沖縄がこれ以上の観光客を受け入れるための体制は万全ではない。宿泊施設・インフラや人材が不足しているからだ。

人材不足も深刻だ。東京や大阪のように外国人留学生が多いわけではないため、中国語や韓国語など観光業者が求める言語を話せる人材が少ない。

ホテルではベッドメイキングなどの清掃スタッフが足りず、部屋が整えられないので販売できないという事態も一部では起きている。

「給与を本土並みに上げて、本土から人が来てもらえるよう試みている」と複数のホテルや旅行事業者は明かす。

これらの宿泊施設、インフラや人材不足などの構造的問題が、さらなる消費や滞在を伸ばすことを難しくしている側面がある。

*人で不足を解消してくれる最強アイテム!!

◆ホテル客室不足、1日8.500室も! 沖縄観光客1.000万人で

沖縄県が目標に掲げている2021年度の入域観光客数1千万人、平均4泊が実現した場合、県内の宿泊施設が1日8.500室足りなくなると県が試算している。

深刻な客室不足に陥る恐れがあるとして、ホテルの新築や増築を進める必要があると分析している。

国に対しては、ホテルの新築や増設の際に法人税や事業税、固定資産税などを優遇するよう税制改正を要請中。

県内自治体に対しては、ホテル用地の容積率を緩和するよう促す国交省通知に基づき、都市計画を早めに変更するよう呼び掛けている。

試算では、那覇空港の第2滑走路のオープン翌年21年度に沖縄を訪れる国内外の観光客数を計1.000万人、平均4泊と仮定した、必要な収容能力は年間4.000万人泊(延べ宿泊者数)となる。

1室当たりの宿泊人数を現状通り2.5人と仮定すると、年間に必要な客室数は1.600万室。現状を踏まえホテルの稼働率80%で収容するとなれば年間2.000万室、1日当たり約54.800室が必要となる。

県内の客室数は15年度で約41.000室。県の集計によると、21年度までに少なくとも30軒(計5.300室)が開業し、合計で約46.300室に増える。

将来的に必要となる54.800室から引くと、1日当たり8.500室が不足する計算だという。

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